――錠前技能士になったきっかけは
基本的に好きなことしかやらないタイプでした。鍵もそうでした。「これいいな」、「楽しいな」という形で入ったわけです。全然そういう意味のこれで儲けるという感じはないですよね。自分が楽しく仕事でできればいいって感じです。それがたまたま仕事になるだけです。
――子どもの頃からの好奇心から鍵職人に
子どもの頃におもちゃをすぐ分解しちゃうんですよ。バラバラにするんです。それで元に戻せないんですよ(笑)。とにかく「メカを知りたい、中が知りたい」というんでね。小さいときからおもちゃ買うと必ずというくらいにバラバラにしていました。それがたまたま大人になっただけで同じですね。鍵もすぐばらすんですよね。バラバラにすれば内容わかりますよね。鍵を開けるっというのは中の構造がわかれば開けられますよ。それを誰かに教えてもらおうと思うと費用と時間がかかるんですよ。そんなことするんだったら鍵買ってばらばらにすりゃわかるじゃないですか。あとは道具が必要です。
――一番しんどかったのは夏の外車の鍵作り
一番しんどかった施工は鍵がない車ベンツの開錠でした。鍵のない車ということで「鍵を作って欲しい」ということで、ベンツってドアから作って最終的にイグニッション入ってくんですよ。それ足さないと無理なんで一本にならないんです。それをやったときに、真夏の炎天下でベンツの鍵やったときには脱水症状起こしましたよ(笑)。暑すぎて(笑)。
同じようにBMWもやはり特殊な鍵でベンツも特殊な鍵なんすよ。規格が違っていてヨーロッパの鍵ってけっこう大変なんですよ。